2013/06/18

彫刻?


友人から届いたメールに南三陸町を訪ねた友人の友人が撮った画像が貼付されていました。





どこかで見たことあるような、「ダヴィデの星」でなく掲げていたのは確か五輪、ローザンヌかな、探してみました。



上の写真の下の部分にご注目ください。誰もがニュース映像などで見たことがあるに違いありません。



名板に付された作者名、ダビッド・スザナ、聞いたことのない名前ですから、検索してみました。するとイスラエル大使館のサイトに「復興祈願の彫刻を南三陸町に寄贈」の記事がありました。その記事に「イスラエルを代表する彫刻家の一人であるダビッド・スザナ氏より同町の復興を祈願する真鍮製の彫刻作品が寄贈されました」とあります。「栄光と再生の像」というのだそうです。しかしながら、南三陸町に彫刻を寄贈した以外の記事はみつかりませんでした。つまり、少なくても日本において彼は、ダニ・カラヴァンのようには、イスラエル人彫刻家として認知されているわけではないようです。もちろん、問われるべきは作品自体ですから、作家が著名か無名かは重要でありません。
メディア・アーティストの友人は、あからさまな制作動機とあからさまな表現、単純といっていいわかりやすさ故に、この「作品」を面白がっています。ヨルダン川西岸地区のイスラエル人入植者たちは、パレスチナ人の農地をアウトポスト、イスラエルの法規によってさえ違法な入植地前哨とするため住宅を建てては、あるいはエルサレムやヘブロンでのようにパレスチナ人家屋を奪っては、あるいはパレスチナ人農地を略奪するために、ダヴィデの星(イスラエル旗)を掲げます。その写真をいくつか見てみましょう。









「ここは吾がテリトリー」、犬がおしっこでマーキングするのに似ていて、確かにとてもわかりやすいのです。わたしは考えます。南三陸町ではなく東京だったなら、この「彫刻」はつくられただろうかと... 設置に反対する運動が組織されはしなかったろうかと... 単純といっていいほど透けて見える意図に「彫刻」と看做されたろうかと... 南三陸町は踏んだり蹴ったりと考えているに違いありません。震災の混乱の中で、宮城県栗原市の佐藤勇市長から、イスラエル軍の医療団受け入れを打診され受け入れたばかりに、イスラエル軍医療団が設置した、いえ、イスラエル大使館によればプレハブは栗原市の佐藤勇市長に依頼したということのようですが、本来なら医療団派遣国の責任でなされるべきこと、それが賃借料を支払わなければならないと知らされることもなく、イスラエル軍医療団が引き上げたあと、そのまま診療所として使用できることに感謝まで表明していたのですから。2011年6月21日のこの記事、『支援のプレハブ「まさか」の請求 南三陸町に賃借料2000万円計上』が、南三陸町の驚きを報じています。おまけに「彫刻」というよりむしろ「日本を取り込んだと宣言するイスラエル旗」といったところでしょうか、この構造物の管理費まで拠出していかなければないのです。

『逝きし世の面影』というブログに掲載された「イスラエル軍医療団の置き土産、被災地南三陸町に2100万円の請求書」は、「支援」をポーズすることでパレスチナ民衆弾圧を糊塗したいイスラエルの欺瞞を暴いています。さらに許しがたいのは、南三陸町の高校生を「糊塗」に利用することです。リチャード・シルヴァースタインが、米国におけるAIPACといったイスラエルロビー団体のアフリカ系学生の利用、「最新のハズバラ・メメ:ブラックウォシング」を書いています。英語ですが、部分翻訳をboycottilで読むことができます。boycottilの部分翻訳から最後の節を転載します。
イスラエルロビーは、アフリカ系アメリカ人学生を気にかけているだろうか? イスラエルロビーは、彼らの心に詰まった問題を気にかけているだろうか? イスラエルロビーは、各コミュニティに相互利益をもたらす促進のため、政治的連合を創出しようと、黒人に手を伸ばしたというのだろうか? からかってる? これら子どもたちは、PR戦争における素材だ。彼らは、イスラエルがアパルトヘイト国家でないと世界に示すため、黒い顔を持っていることの外、何をも意味しない。しかし、これら子どもたちは、イスラエルについて実際、どれほどのことを知っているだろう?


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